卒業式当日までは涙をこらえようと必死に我慢してきましたが、卒業式の歌や朝の会で歌う校歌、答辞の練習などを聞いていると数日前から涙がとまりませんでした。入学当初からたくさんの人たちに見守られ、叱られたり誉められたりしながら確実に成長してきた男子3人の卒業生。周りの人たちからの様々な形の愛情に、どのように応えるか3人で考えながら書き上げた今年度の答辞は感謝の気持ちを伝えたいという思いが前面にあふれていました。また、東日本大震災のことにも触れ、今の自分たちにできることについて思いを述べました。3人が壇上でそれぞれの思いを語ることで、3人の思いをしっかり伝えることのできた卒業式となりました。
平成27年度「答辞」より一部抜粋
「中学校生活最後」という言葉が、僕たちに感じさせてくれたもの。それは、最高学年としての責任感。二度とは訪れない、この瞬間を大切にしたいという情熱。あっという間に流れていく時間の中、僕たちは自分たちの成長を確かに感じることができました。その一方で、思いどおりにいかないことがあると、目の前のことから逃げ出してしまうこともありました。その度に、叱られ、励まされたこと。あのときは悔しくて、自分の小ささが恥ずかしくて、たくさん反抗してしまいましたが、たくさんの人がいろんな方法で本気で僕たちに向き合ってくださったから、今の僕たちがいるんだと思います。本当にたくさんの人に支えられた三年間でした。
僕は陸上部で毎日厳しい練習を積み重ねてきました。よい緊張感をもって本番に臨むことができた、中学校生活最後の大会。県大会で優勝した喜びと、全国大会への切符を勝ち取れなかった悔しさ。四国大会で出会った、ライバルの記録をいつか超えてやるという決意。この感情と多くの人の支えは、高校生でも陸上を続け、記録を伸ばしたいという僕の思いをより一層強いものにした気がします。
父さん、母さん。家の手伝いをサボったり、反抗したりしてごめんなさい。でも、いつも「○○、がんばれ」と応援してくれて嬉しかったです。いつも僕のことを大きな愛で包んでくれてありがとう。義務教育を終え、これからは自分の力で歩んでいかなければなりません。僕が進む道に悩んだときは、人生の先輩としてアドバイスをよろしくお願いします。
後輩のみなさん。みなさんには目標がありますか。その目標が大きくても小さくても、目標があれば、自分の可能性が広がっていきます。ぜひ、目標を見つけて、三年間という限られた時間、一日一日を大切にしてください。校舎の場所が変わっても、豊島中学校は僕たちの大切な母校です。どうぞ、より素晴らしいものにしてください。よろしくお願いします。
先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。どんな話でも、いつも笑顔で聞いてくださいました。気の緩みから、叱られたこともありました。先生方が僕たちに注いでくださった、様々な形の愛情は、僕たちの成長には欠かせません。先生方の支えがあったから、充実した三年間を過ごし、こうして卒業の日を迎えることができました。本当にありがとうございました。
そして、最後に。何をするにもいつも男子三人。華やかさはなかったけれど、僕はこの三人で過ごす時間が大好きです。楽しくて、充実した毎日が送れたのは、二人のおかげです。二人に出会えて良かった。本当にありがとう。もう少し同じ道を進むことになりますが、これからもよろしくお願いします。
僕たちの卒業式と同じ、三月十一日。東北で起きた大きな地震。天災は、多くの人の命を奪いました。僕たちがこれから出会ったかもしれない、本当に多くの人の命を。あれから五年。悲しみに包まれながらも前を向いて、一日一日を大切に生きる人たち。報道を通して見た、人の、生きる強さに、これから始まる新しい生活に不安でいっぱいの僕たちは、「強く、前を向いて進まなければ」と心に誓いました。「今」を一生懸命生きることが、十五歳の僕たちにできることです。この先、どんな壁が僕たちの前に立ちはだかっても、「負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じ抜くこと」を胸に、強く、前を向いて進んでいきます。そして、みなさんからいただいた、たくさんの愛情に応え、僕たちにしか進めない道を歩んでいきます。 「さようなら、豊島中学校」そして「ありがとう。」
3年間、部活動でも教室でもいつも3人一緒。あまりにも距離が近すぎて、一緒にいる時間が長すぎて、ぶつかることもたくさんありましたが、でもこの3人だから乗り越えることのできた壁もたくさんありました。卒業生のみなさん、みなさんのこといつまでも応援しています。「ありがとう」の言葉を大切に、一人一人が輝きながら自分の道を進んでいってください。みなさんの進む道に暖かな光が燦々と降り注ぎますように。みんなと出会えて良かった!すてきな笑顔と時間をありがとう。 (3年 学級担任)
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みんないい表情ですね。
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入場前のすてきな笑顔。
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一人一人の思いがこめられた答辞
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「ありがとう」の合唱では涙が止まりませんでした
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「3年間ありがとう!!」